右から、医療法人社団松和会 池上総合病院 事務部 医事課 副主任 中村様、事務部 医事課 川田様
東京都大田区の東急池上線池上駅から徒歩1分の場所にある医療法人社団松和会 池上総合病院。25の診療科目、384の病床数で急性期医療に臨むとともに、救急医療センターや集中治療室を開設し、24時間365日の救急医療にも対応しています。また、地域包括病棟を完備し、急性期治療後のリハビリや在宅でのサポートにも注力。充実した設備と高い医療技術で地域の健康寿命を支える大田区内屈指の総合病院です。
法人名:
医療法人社団松和会 池上総合病院
所在地:
東京都大田区池上6丁目1番19号
URL :
https://ikegamihosp.jp/電子カルテを導入しても、紙管理からは脱却できなかった。
当院は電子カルテを導入済みでしたが、問診票はペーパーレス化されていませんでした。当院の1日の外来患者数は800~900名ですが、患者様は紙の問診票へ手書きし、都度、受付職員が問診票をスキャン(電子カルテとの紐づけ)してファイリング(保管)する必要があり、職員にとって大きな負担となっていました。
一人の患者様が複数の科を受診する場合は、科ごとに問診票を記入しなければならず、患者様の負担となり、ファイリングする紙も増大していました。
事務業務の効率化と待ち時間短縮化
積極的にDXを推進する当院としては、事務業務の効率化と患者様の待ち時間を短縮化するために問診票の電子化を急務と考えました。ペーパーレス化できれば、職員のスキャン作業やファイリングの必要がなくなり、業務効率化を見込めます。また問診データを電子カルテと連携できれば、ドクターはモニター上で問診データを確認できるため、患者様の待ち時間の短縮化も見込めます。
従来と同様の運用が可能「PDF文書機能」
ARTERIAを選んだ最大の理由は「PDF文書機能」です。問診票など従来の紙の書類をそのままiPad上に表示し、手書き感覚で運用できる点に着目しました。これなら患者様も事務職員も、従来同様に使用することが可能と考えました。
導入前、WorkVisionさんのご協力により、関係部門を含めたワーキングを実施することで、それまで問診票がどういったルートで運用されているか把握・整理し、また各部門でペーパーレス化によるメリットを理解してもらうことでスムーズに導入できました。
WorkVisionさんには、私たちの要望に柔軟に対応していただき、共に創り上げていく手応えも充分でした。実際に対応も迅速で、新型コロナウイルス禍にあっても、想定以上に早く導入することができました。
年間10万枚の問診票を電子化し、事務員の工数を年間5,000時間削減。
全25部門にARTERIAを導入し、2022年の約1年間で10万枚の問診票を電子化し、紙のスキャン作業、ファイリングの必要がなくなったため、事務員の工数を年間約5,000時間削減できました。
患者様が複数の診療科を利用する場合、総合受付で登録された問診票の内容を全ての部門で共有できるため、患者さんが何度も問診票を記入したり、事務員同士が受け渡しをしたり、ときには探したりといった手間もなくなりました。
また、部門によっては受付と診察室が離れているため、患者様が診察時に問診票を携行して、ドクターに示していましたが、現在は、受付で確認するとすぐに電子カルテに紐づけできます。そのため、ドクターは診察前に問診票を確認でき、効率的な診察が可能になりました。特に、バーコードをスキャンするだけで即座に問診票を表示できる機能は現場で非常に有用です。
導入当時、「何故わざわざ電子化するのかわからない。運用が変わることで混乱を招くのでは…」といった院内職員からの否定的な声も多くありましたが、ARTERIAを使い始めると劇的に業務が効率化され、職員の負担が解消されたため、その後、不満の声はありません。
また、ご年配の方によるiPadの使用についても院内から不安の声がありましたが、ARTERIAは年配の方にも使いやすく、違和感なく使用されています。
導入後、ARTERIAを使い始めた事務員から他の事務員に操作方法をレクチャーしてもらいながら段階的に範囲を拡大し、2023年現在では全診療科(25部門)、全60台のiPadを導入済みです。
部門ごとのiPad台数についてですが、受付で1人の患者さんが問診票を書いている際に、もう1人別の患者さんがいらっしゃることや、診療時間内にiPadが充電切れすることも想定されるため、各部門に最低2台は必要と考えています。
同意書関連の電子化。患者様のスマホやタブレットによる電子問診。
これからは同意書関連の文書など、ドクターや看護師が関わる文書の電子化を考えています。それが実現できれば、業務効率化のインパクトは非常に大きいと思います。
また、今後のARTERIAのさらなる発展にも期待しています。例えば、来院前に患者様のスマホやタブレットにて電子問診をできれば、院内滞在時間を短くすることができます。また、地域のクリニックで作成した紹介状を、患者様のスマホやタブレットで撮影し、電子問診票へ連携できれば、業務効率化が可能です。
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